『 抗菌薬 ・抗ウイルス薬の塗り薬』子ども(小児)の処方箋:とびひ、あせもなどに処方される薬【医師監修】

2022.06.02

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抗菌薬・抗ウイルス薬の塗り薬ってどんな薬?夏に増えるとびひ(伝染性膿痂疹)とは?

感染症を起こす原因の細菌を殺したり、増えないようにしたりする薬を『抗菌薬』、ウイルスの増殖を抑える薬を『抗ウイルス薬』といいます。
抗菌薬についてはこちらから

抗ウイルス薬についてはこちらから

 
 

リンク先で紹介している飲み薬などとは別に、ここでは『塗り薬』について紹介します。
飲み薬の場合は有効成分が腸から血液中に入り、全身に回って効果を発揮しますが、塗り薬の場合は、塗った皮膚から有効成分が吸収されていき効果が出るという特徴があります。

その効果を活かし、抗菌薬の塗り薬は皮膚の細菌感染に対して使われます。

 
 
代表的な皮膚疾患は「とびひ」です。
正式名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といい、水ぶくれ(水泡)ができては破れて皮膚がただれ、触った手指を介して他の部位に広がることから「とびひ」と呼ばれるようになりました。
 
 
すり傷、虫刺されによる引っかき傷、アトピー性皮膚炎を引っかいてじくじくした部分などの皮膚バリアが低下した部分に、黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して発症します。
夏に多くみられ子どもの顔や手足に症状が発生します。
患部に塗布することで、原因となる細菌を退治します。
 
 
一方、抗ウイルス薬の塗り薬が使われる代表例は、唇の周りなどに赤いぶつぶつや水ぶくれができる単純疱疹(たんじゅんほうしん)です。
「口唇ヘルペス」ともいいます。

原因であるヘルペスウイルスの増殖を抑える治療として、医療機関では症状の程度などに応じて飲み薬、注射薬、塗り薬を使い分けて処方しています。
塗り薬の中には、医療用の成分が一般用医薬品としても承認され、薬局で処方箋なしで買えるようになったものもあります。
ただし、一般向けの抗ウイルス薬の塗り薬は、過去に医師から口唇ヘルペスと診断、治療を受けた人が対象です。
6歳未満には使用できません。
 
 
この記事では、子どもに使われる主な抗菌薬・抗ウイルス薬の塗り薬を紹介します(2022年5月時点)。
薬を使い始めて何か気がかりなことがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。

抗菌薬・抗ウイルス薬の塗り薬が処方される病気

とびひ(伝染性膿痂疹)、化膿性汗孔周囲炎/汗腺膿瘍(細菌が感染した「あせも」)、口唇ヘルペスなど

主な抗菌薬の塗り薬の種類

ゲンタシン(ゲンタマイシン硫酸塩)

<薬の形状>
軟膏、クリーム
<特徴>
アミノグリコシド系と呼ばれるグループの抗菌薬(抗生物質)の塗り薬です。
細菌の増殖を抑え、皮膚の感染症を治療します。
<注意>
副作用として、発疹などが報告されています1)
このような症状に気づいたら、医師・薬剤師に相談しましょう。

 

フシジンレオ(フシジン酸ナトリウム)

<薬の形状>
軟膏
<特徴>
ブドウ球菌の増殖を抑える働きがあり、皮膚の感染症の治療に使われます。
<注意>
副作用として、発疹などが報告されています1)
このような症状に気づいたら、医師・薬剤師に相談しましょう。

 

アクアチム(ナジフロキサシン)

<薬の形状>
軟膏、クリーム、ローション
<特徴>
キノロン系と呼ばれるグループの抗菌薬の塗り薬です。
とびひやにきびなどの皮膚の感染症に使われます。
<注意>
副作用として、かゆみ、刺激感、発赤などが報告されています1)
このような症状に気づいたら、医師・薬剤師に相談しましょう。

抗ウイルス薬の種類(抗ヘルペスウイルス薬)

ゾビラックス(アシクロビル)

<薬の形状>
軟膏、眼軟膏、クリーム
<特徴>
単純疱疹に使われる抗ウイルス薬です。
軟膏とクリームは、製品名は異なりますが、処方箋なしでも買える一般用医薬品(OTC)としても発売されています。
<注意>
所定の使い方を守って正しく使いましょう。

 

アラセナ-A(ビダラビン)

<薬の形状>軟膏、クリーム
<特徴>
単純疱疹ウイルスなどの増殖を抑える働きがあり、口唇ヘルペスなどに使われます。
処方箋なしで買える一般用医薬品(OTC)としても発売されています。
<注意>
塗ったところに接触皮膚炎(かぶれ)、刺激感、かゆみなどが現れたら、医師・薬剤師に相談しましょう1)

 

『参考資料』

1)くすりの適正使用協議会.くすりのしおり.
(2022年5月閲覧:https://www.rad-ar.or.jp/siori/index.html

《 監修 》

  • 松井 潔(まつい きよし) 総合診療科医

    神奈川県立こども医療センター総合診療科部長。愛媛大学卒業。

    神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て2005年より現職。

    小児科専門医、小児神経専門医。

     

     

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