2020.01.31
月経不順の原因の多くは「排卵障害」です。通常、月経開始から約2週間で排卵し、排卵後は約2週間で月経が起こります。しかし、何らかの原因で排卵が妨げられると、月経周期がばらばらになってしまい月経不順となります。
月経が不順だと「排卵日がいつごろなのか」をつかむのが難しくなります。
妊娠を考えた性交渉のタイミングもつかみにくいため、婦人科で排卵日の確認を行ったほうが、排卵日がはっきりしてタイミングをつかみやすくなります。
最も多い排卵障害は「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)*」といって、その場合は月経周期が長くなることが多いです。
また、過度のストレスや体重減少で排卵障害を起こすことがあります。女性ホルモンの分泌を司る指令塔は脳にあり、ストレスの影響を受けやすいのです。
「無理なダイエットでやせたら生理がこなくなった」という話を聞いたことはありませんか?
これは「体重が急に減少した。生命の危機だ! 妊娠している場合ではない!」と脳が判断して、ホルモン分泌をストップしてしまうからです。
すぐに月経周期が元に戻れば特に問題はありませんが、月経不順が長く続いたり、それを繰り返したりしていると、周期が元に戻りにくくなります。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院