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【医師監修】『 月経異常 』による出血:月経痛や月経過多、不正出血を伴う病気
【監修】EASE女性のクリニック:産婦人科専門医:丸山 真理子先生
皆さんは、自分の月経をちゃんと把握していますか?
個人差はありますが、正常な月経は25~38日周期で始まり、3~7日間出血が続くとされています。
また、正常範囲とされる月経期間の出血量は20~140mlです。
正しい月経がきちんとあるかどうかは、女性にとって健康状態を知るための大事な目安です。
月経時の出血量の変化や不正出血には、何か病気が隠れている可能性もありますから注意が必要です。
そこで今回は、月経異常がサインとなるトラブルを、特に妊娠に影響を与える病気を中心にご紹介します。
《ポイント》正常な月経の目安を覚えておこう
・25~38日周期
・3~7日間の出血
・出血量は20~140ml
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ):月経痛や月経過多を伴う病気
子宮筋腫は、30歳代以降の女性の約30~40%にあるとされる良性の子宮腫瘍で、ほとんどの場合は、自覚症状がないまま閉経後に徐々に腫瘍は小さくなっていきます。
ただし、腫瘍ができた場所や大きさによっては、生活に支障をきたすような症状が出ることもあります。
特に症状が出やすいのは、子宮内膜の内側にできる粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)で、月経量が多くなり、それが原因で貧血を起こすことがあります。
粘膜下筋腫や子宮内腔の形を変えるような大きな腫瘍の場合は、受精卵の着床を妨げたり、卵管の通過障害を引き起こしたりして不妊の原因になることがあります。
子宮内膜ポリープ(しきゅうないまくぽりーぷ):月経痛や月経過多を伴う病気
子宮にできるポリープのうち、妊娠に影響を与えるとされるのが子宮内膜ポリープです。
これは、イボのような粘膜の膨らみが子宮の内側にできる病気で、不正出血や月経過多を引き起こします。
大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、単発性のものと多発性のものがあります。
このポリープが受精卵の着床を邪魔することで不妊になる場合があります。
子宮の出口にできる子宮頸管(しきゅうけいかん)ポリープに比べ子宮内膜ポリープは発見しにくく、不妊の原因を調べている際に、偶然見つかるケースもあります。
子宮内膜症(しきゅうないまくしょう):月経痛や月経過多を伴う病気
子宮内膜症は、20~30歳代に多く、本来子宮の内側を覆うはずの子宮内膜の組織が卵巣や腹膜、子宮の筋肉の中などに発生する病気です。
月経痛が徐々に強くなり、悪化すると慢性的に腹痛や腰痛があったり、性交痛や排便痛を感じたりするようになります。
また、子宮内膜の組織が卵管や卵巣に癒着したり、そこに炎症を起こすことで卵管が詰まりやすくなったりする、受精卵が着床しにくくなるなど、さまざまな理由で不妊の可能性が高くなります。
子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう):月経痛や月経過多を伴う病気
子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮筋層(しきゅうきんそう)という子宮の筋肉の中にでき、周囲に炎症を起こす病気です。
30歳代後半~40歳代に多く発症し、多くの場合、月経痛や月経過多、不正出血、月経時以外の腰痛や腹痛、性行為痛などの症状を伴います。
エストロゲンという女性ホルモンにより病気が進むため、月経を重ねる度に症状は悪化します。
また、不妊症を合併することもあります。
不妊との関係は、まだすべては解明されていませんが、子宮腺筋症により子宮が変形することや、子宮内膜の上皮の組織が変化することで、受精卵の着床が難しくなることが原因ではないかとされています。
子宮腺筋症は子宮筋腫と症状が似ていますが、子宮腺筋症の場合は月経痛だけでなく、月経が終わっても強い下腹部痛が続く場合があります。
不正出血を伴う病気
通常の月経以外の性器出血のことを不正(性器)出血といいます。
不正出血は、睡眠不足やストレスなどによっても起こりますが、一方では、重大な病気のサインの可能性もあるので注意が必要です。
🌸子宮に起こる主な病気
・
子宮ポリープ/子宮頸管(しきゅうけいかん)ポリープ・子宮内膜(しきゅうないまく)ポリープ
・
子宮筋腫
・子宮がん/子宮頸(しきゅうけい)がん・子宮体(しきゅうたい)がん
・子宮肉腫
・子宮膣部(しきゅうちつぶ)びらん
・子宮頸管炎(クラミジア、マイコプラズマなど)
🌸卵巣に起こる主な病気
・卵巣機能不全(らんそうきのうふぜん)
・卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)
・多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)
🌸膣に起こる主な病気
・膣炎(ちつえん)
・萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)
🌸妊娠に関連するもの
・流産
・子宮外妊娠
不正出血の血液の色は、新しいと赤色ですが、古いと茶色になり、ごく少量の場合は黄色のこともあります。
2~3週間以上出血が続いたり、少量でも3カ月以上繰り返したりする、痛みを伴うなどの場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
《 監修 》
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丸山 真理子(まるやま まりこ)産婦人科専門医
EASE女性のクリニック院長。
産婦人科専門医として子宮がん・乳がん検診のほかプレコンセプションケア、妊活、妊娠、子育てと全てのライフステージの女性診療に携わる。イーズファミリークリニック本八幡・病児・病後児保育室室長、EASE English Montessori School、日本女性財団プラットフォーム委員会委員長としても精力的に活動中。
▶HP https://ease-clinic.jp/ EASE女性のクリニック
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