【 妊娠中 の働き方】妊娠を理由に退職をした場合、 失業給付金 はもらうことができる?【社労士監修】

2020.06.22

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妊娠中のお金

妊娠を機に退職した場合、失業給付はもらえるの??

妊娠を機に退職した場合、いわゆる失業保険はもらえるのでしょうか。失業保険は、正式には雇用保険と呼ばれ、失業を理由に受給できるものを「基本手当」といいます。なかなかイメージをしにくい名称ですので、ここでは会話でよく使用される「失業給付」を使用します。

 

毎月の給与からは雇用保険料が引かれているし、会社を辞めたのだから失業状態だ!絶対に失業給付がもらえるはず!と思っているかもしれませんが、ちょっと待ってください!雇用保険における「失業」の意味は、会話で使う失業の意味とはちょっと違いますよ。

「失業」の定義

雇用保険上の「失業」とは、「働ける状態であり、働く意欲があるのに職がない状態」のことをいいます

妊娠・出産等で働けない期間は「失業」している状態ではないですから、失業給付は受けられません。なんと・・雇用保険に加入しているだけではダメなのか・・。いえいえ、ここはガッカリするのではなく、ハローワークで手続きをしてもらいましょう。失業給付がもらえないのに手続き?はい、将来のための準備です!

将来の就職活動にそなえて、ハローワークで手続きを!

前述のとおり、妊娠・出産等で働けない期間は「失業」している状態ではありません。ですが、出産・育児が落ち着いたときに就職活動を行う可能性がありますよね!その、就職活動を行っている時期については、紛れもない「失業状態」です。つまり、失業給付を受給できる可能性があるのです。

 

でも・・失業給付を受け取れるのは、退職から1年間だけって聞いたけど・・?と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。確かにそのとおりです。通常、失業給付が受けられる期間(受給期間)は、最大で離職日の翌日から1年間と定められています。妊娠・出産・育児が一段落するころには、とっくに退職から1年が過ぎていますよね。とはいえ、妊娠はやむを得ない事情です。やむを得ない事情ですから、その期間分は受給期間の延長ができるのです!

 

例えば、妊娠・出産・育児で働けない期間が、退職日の翌日から1年6か月だとした場合、その期間分を延長することができますので、退職日の翌日から2年6か月が受給期間ということになります。最大で、退職日の翌日から4年間まで延長することができます。将来的な失業給付受給にそなえ、「受給期間の延長申請」をハローワークで手続きしておきましょう。なお、この「受給期間」は、あくまで「受給できる期間」です。受給期間中に雇用保険の加入期間や年齢に応じた日数分だけ給付が受けられることになります。その日数分の給付が終わった後は、たとえ受給期間中であっても、それ以上の給付は受けられませんので、勘違いのないよう、注意しましょう。

延長手続きの期限と必要なものは?

受給期間の延長手続きは、妊娠中に退職し、その退職日の翌日から30日経過後に住所地を管轄するハローワークで行います。忘れないように、できるだけ早期に手続きしておきましょう。あまりに遅すぎると「退職日の翌日から4年間」までに、失業給付を受給しきれない場合があります。手続きの際には、会社が発行手続きを行う「離職票」というものを持参する必要がありますので、退職の際には「離職票が必要」な旨をしっかりと伝えておきましょう。また、延長する事由があることの証明として、母子手帳のコピー等も必要です。

 

いつまで受給期間の延長をするかは、それぞれのライフプランによって異なります。延長できるのは、「妊娠・出産・育児(3歳未満に限る)などにより働くことができない」場合ですので、基本的には最大の4年間(通常の1年+働けない期間3年)まで延長ができます。なかなか先の見通しも立てにくいと思いますし、取りあえず最大の期間で申請しておいても問題ないでしょう。退職日の翌日から3年を経過する前に、就職活動を行うことになった場合は、受給期間延長を解除することが可能です。なお、在職期間が6か月未満などの短期であったり、欠勤が多かったりすると、そもそも失業給付の受給資格がないことも考えられます。不安な方は退職を決めた時点で、最寄りのハローワークに受給資格があるかどうかを確認してみるといいでしょう。

《 監修 》

  • 木幡 徹(こはた とおる)  社会保険労務士

    1983年北海道生まれ。大企業向け社労士法人で外部専門家として培った知見を活かし、就業規則整備・人事制度構築・労務手続きフロー確立など、労務管理全般を組織内から整える。ベンチャーでのIPO準備を経て、現在はM&Aに積極的な上場企業に在籍。企業側・労働者側のどちらにも偏らない分析とアドバイスを行う。

    HP https://fe-labor-research.com/

     

     

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