男性の 育児休業 が取りやすくなる?2022年から変わる育児休業の変更点【社労士監修】

2021.10.07

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育児休業とは?2022年に内容が変わる?

育児休業とは、労働者が会社に申し出ることにより育児のために休業することができる制度のことです。

1歳の子を持つ方でしたら基本的には取得可能で、認可保育所に空きがない場合などは2歳までの延長が可能です。配偶者とのリレー方式では、1歳2カ月まで取得可能です。

 

2021年6月、育児・介護休業法等の改正法案が国会で可決されました。

主に男性の育児休業取得を推進していく改正内容となっており、その内容について解説いたします。

 

改正時期が2022年4月からのものと、2022年10月からのものがありますので、ご注意ください。

 

※本記事は202110月に作成されたものです。

変更点:会社に育児休業を取得しやすい環境整備と個別の周知・意向確認を義務付け(2022年4月~)

これまで、育児休業についての会社側からの周知は、就業規則等に明記しておくのみで問題ありませんでした。

しかし、2022年4月以降は、妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした社員に対し、制度の周知と育児休業の取得意向を確認することが、会社に義務付けられます

 

具体的には、

 

①育児休業等に関する制度
②育児休業等の申出先
③育児休業給付に関すること
④育児休業等の期間について負担すべき社会保険料の取扱い

 

を面談や書面交付、電子メールなどの手段で個別に周知し、取得の意向を確認します。

 

特に男性については、自身に育児休業取得の権利があることに気付いていないケースや、何となく取得しにくいと感じているケースもありますので、このような制度周知と意向確認があることにより、取得しやすい雰囲気が出ることが期待されます。

 

さらに、研修の実施や相談窓口の整備等、何らかの環境整備が会社側に義務付けられることになります。

変更点:有期雇用労働者(契約社員・パート・アルバイトなど)の育児休業取得要件の緩和(2022年4月~)

有期雇用労働者(契約社員・パート・アルバイトなど、契約の期間が定められている方)が、育児休業を取得できる要件も緩和されます。これまでは、育児休業を取得するにあたり下記の2つの要件がありました。

 

① 継続して雇用されている期間が1年以上
② 1歳6カ月までの間に契約が満了することが明らかでない(満了後に契約更新の可能性がある場合を含みます)

 

 

今回の法改正により、①の要件が撤廃され、勤続1年未満でも法律上の取得権利が生じることになります。

ただし、会社と従業員代表(または労働組合)が締結する「労使協定」と呼ばれるものによって、勤続1年未満の社員を育児休業の対象者から除くことも可能となっています。

法改正後も会社によっては変化がない場合も想定されることに注意が必要です。

 

入社1年以内に休業することを想定したうえで、入社してもらうケースは珍しいと思いますから、この点は致し方ないといえるかもしれません。

男性をターゲットに出生直後の育児休業が新設置される(2022年10月~)

出生後8週間以内の時期に取得する休業が、これまでの育児休業とは別の休業として新設されます。これを出生時育児休業(通称:産後パパ育休)といいます。

女性の場合、出産後8週間は労働基準法における「産後休業*」がありますので、出生時育児休業は完全に男性をターゲットとした休業制度といえます。

 

*産後休業についてはこちらの記事を確認ください

【社労士監修】妊娠発覚!産休の申請はいつ頃? – はぐふる (hug-full.com)

 

 

 

この出生時育児休業については、下記3つの特徴があります。

 

①休業の申出は、休業開始の2週間前までに行う。※現行の育児休業は、1カ月前までの申出が必要です。

②最大4週間を、2回までに分割して取得が可能。

③労使協定を締結している場合は、社員と会社の合意に基づいて、一定限度までの就業が可能。

※休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分(休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満)が上限となります。

 

分割して取得できる点と、一定要件を満たした場合に一部就業が行える点が、現行制度との大きな違いとして、インパクトの大きいものとなっています。

現行制度でも一定制限のもと、休業中に就業を行うことは可能ですが、あくまで臨時的な措置という位置づけです。

会社の業務に対し、できるだけ穴を開けたくないという意識の強い方でも、積極的に利用できるような配慮といえます。

 

注意点として、分割して取得する際は、1回目と2回目をまとめて申請する必要があります。

 

なお、雇用保険から支給される育児休業給付金は、この新設される休業も対象となります。収入減への対応もバッチリというわけですね!

 

育児休業の分割取得が可能に(2022年10月~)

先に解説しました出生時育児休業とは別の、現行の育児休業の解説です。

 

現行の育児休業についても、これまでは一定の要件を満たした場合に限り分割して取得ができました※が、今後は1歳までの育児休業を2回に分けて取得することが可能になります。

※男性が、子の出生後8週間以内で育児休業を取得した場合に限り、分割して育児休業を取得できる仕組み(パパ休暇と呼ばれます)。

 

 

加えて、認可保育所に空きがない場合など、一定要件に該当する場合に16カ月、または2歳までの延長が行われますが、その際の育児休業開始日も柔軟に対応できるようになります。

配偶者が育児休業をしている場合は、「配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日」を開始日とすることが可能です。

 

もちろん、このような分割取得をした場合でも、育児休業給付金は受給できます

この改正により、男性は出生時育児休業と合わせ、1歳までに4回に分けて休業することも可能になります。

 

▼図:(図をクリックで拡大)

育休改訂の図

 

2022年4月から行われる育児休業の改正は、主に男性育休の推進を意識したものですが、女性にとっても、パートナーとのリレー方式での休業などが計画しやすくなるでしょう。

 

この機会に、育児と仕事の両立に理解を示す企業が増えてくるといいですね!

 

《 監修 》

  • 木幡 徹(こはた とおる)  社会保険労務士

    1983年北海道生まれ。大企業向け社労士法人で外部専門家として培った知見を活かし、就業規則整備・人事制度構築・労務手続きフロー確立など、労務管理全般を組織内から整える。現在は急成長中ベンチャーに在籍し、上場に対応できる規程や制度を構築中。企業側・労働者側のどちらにも偏らない分析とアドバイスを行う。

    HP https://fe-labor-research.com/

     

     

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