【 妊娠中 の働き方】妊娠が発覚! 産休 (産前産後休業)の申請は会社にいつ頃行う?【社労士監修】

2020.01.31

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妊娠中-働き方

産休(産前産後休業)とは?

産休は、正式には産前産後休業と呼ばれ、アルバイト・パート・入社間もない方等も含めた全ての労働者が対象となる制度です。労働基準法により定められていますので、会社によって「ある・ない」が変わるというものではありません。労働基準法に定められている産休期間は、産前6週間(42日)+産後8週間(56日)です。双子の場合は産前14週間(98日)からの開始です。産前6週間は、出産予定日をベースに計算し、産後8週間は出産日をベースに計算します。もちろん出産予定日と出産日の間も休業できます。福利厚生が充実した大企業などでも、この法律上の最低基準で運用されている会社が多いようです。では、妊娠が発覚した時、産休の申請はいつごろ行った方がいいのでしょうか。

産休は申請によって発生!

産後6週間は絶対に働いてはいけない期間(会社側からすると働かせてはいけない期間)ですが、産前については本人の請求に基づき休業できることになります。あまり例はないかもしれませんが、本人が働きたいのであれば、産前6週間の期間中であっても、働くことは可能です。つまり、産前休業は申請によって発生しますので、会社へ申請しなくてはいけないということです。

産休はできるだけ早く申請しましょう

産休の申請時期について、法律上の定めはありません。会社としても、「いつまで」という期限は特に設けていないことが多いです。とはいえ、できるだけ早く会社には妊娠の事実を伝え、産休の申請をした方がいいでしょう。妊婦健康診査を受けたり、それによって残業なしの勤務や母体に負担のかからない業務への転換が必要になったりと、会社側は業務量の調節や人繰りなど、長期的なスケジュールを描くことになります。社員と会社、お互いが理解しあえる関係を築くためにも、連絡・申請は早めにすることが求められているといえます。産休に先んじて、余っている有給休暇を連続して取得する場合なども、労働者の権利とはいえ、早めに申請しましょう。

産休申請の際に、育休の申請も併せて行うこともある

育児休業の申請は、一カ月前までに行えばいいことに法律上はなっています。この1カ月前というのは実際のところあまり意識されることが多くなく、産休の申請と同時に行われる慣例となっている会社もあります。
 

 

育児休業の期間は、法律の最低基準では1歳まで(一定要件を満たせば1歳2カ月まで)となっており、認可保育園の空きがないなどやむを得ない場合では、最大2歳まで認められます。

1歳前の復帰を計画していたり、会社によっては、保育園の状態に関わらず2歳や3歳まで育児休業が認められているケースもあったりと、産休申請の時点で、いつの復帰か未定の場合も多いでしょう。
とはいえ、前述のように会社側が描くスケジュールの問題もありますので、産休申請の時点の予定として、育児休業も慣例に合わせて申請したほうがいいのではないでしょうか。

 

もし、休業期間で迷ったのならば、法定の最低基準である「1歳まで」の休業として申請しておくのが無難といえます。

妊娠中は「1歳未満で復帰する!」と仕事優先の発言をしていた方も、実際に我が子を子育てする中で、1歳まではじっくりと子育てに向き合いたいと考えるようになることは、よくあります。

延長になったとしても、認可保育園に空きがないという理由で、1歳以降も休業が続くケースは昨今の大都市圏では当たり前ですし、企業側も織り込み済みです。

反対に、1歳より多少早めに復帰することについては、会社側としてもさほど影響がない、むしろ歓迎の場合もありますから、「とりあえず1歳で復帰」という決め方で問題ないといえるでしょう。

 

《 監修 》

  • 木幡 徹(こはた とおる)  社会保険労務士

    1983年北海道生まれ。大企業向け社労士法人で外部専門家として培った知見を活かし、就業規則整備・人事制度構築・労務手続きフロー確立など、労務管理全般を組織内から整える。ベンチャーでのIPO準備を経て、現在はM&Aに積極的な上場企業に在籍。企業側・労働者側のどちらにも偏らない分析とアドバイスを行う。

    HP https://fe-labor-research.com/

     

     

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