2022.11.22
1. 亀頭包皮炎 とはこんな病気
2. 亀頭包皮炎 の原因と症状
3. 亀頭包皮炎 の検査でわかること
4. 亀頭包皮炎 の治療法と薬
5. 亀頭包皮炎 のホームケアと予防
亀頭包皮炎とは、陰茎(ペニス)の先の亀頭と包皮の間の部分に細菌が増えて、炎症を起こす病気です。
亀頭包皮炎の病気と一緒に包茎(ほうけい)の話もします。
包茎とは陰茎の先端の亀頭部分が皮膚(包皮)で覆われている状態のことです。
5歳までに徐々に亀頭と包皮の間がはがれ、自然に亀頭が露出するようになります1) 。
無理に包皮をむくと、元に戻らなくなって亀頭が締め付けられ、腫れてしまうことがあります。
赤ちゃんの場合、陰茎は包茎なのが正常で、亀頭は露出していません。
包茎は尿の出口が狭くて尿が出にくくなることがあります。
排尿した後、亀頭と包皮の隙間に尿が残ったり、垢がたまったりします。
そこに細菌などの微生物が繁殖して生じるのが亀頭包皮炎です。
2~5歳によくみられます2) 。
赤ちゃんの場合は、おむつをしているため細菌が増殖しやすく、また、無意識に汚れている手で触ることがあるため、それが原因で陰茎部分に炎症が起こることがあります。
包皮と亀頭との隙間で細菌やカビが増え、炎症が起こります。
この空間は湿度と温度が高いため微生物にとって「居心地がいい」ということでしょう。
症状は、陰茎の先端が痛む、赤くなる、腫れる、先端から膿が出る(おむつやパンツに付く)、排尿時に痛みがある、といったことです。
通常は医師の診察で診断されます。
膿が出ている時や排尿時に痛みがある時などは、細菌がいるかどうかを調べる検査を行うこともあります。
陰部を清潔にし、必要に応じて薬が使われます。
細菌が原因なら抗菌薬(抗生物質)の塗り薬か飲み薬、カビが原因なら抗真菌薬の塗り薬です。
包茎に対しては、5~6歳まではそのまま様子を見てもよいと考えられています1) 。
陰部の清潔を保つことが第一です。
排尿後に軽く拭いたり、入浴時にやさしく洗ってあげるとよいでしょう。
《 監修 》
松井 潔(まつい きよし) 総合診療科医
神奈川県立こども医療センター総合診療科部長。愛媛大学卒業。
神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て2005年より現職。小児科専門医、小児神経専門医。
📖子育てに掲載中の松井潔先生監修記事一覧
保護者の方が、休日・夜間の子どもの症状にどのように対処したらよいのか、病院を受診した方がよいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師に電話で相談できるものです。
この事業は全国統一の短縮番号♯8000をプッシュすることにより、お住いの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
厚生労働省ホームページ:子ども医療電話相談事業(♯8000)について