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子どもの『 花粉症 』は増えている?花粉症の影響や症状は?診断と治療方法【執筆・監修:アレルギー専門医】

2023.01.27

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目ヤニ、くしゃみ、鼻水…この症状は花粉症?【執筆・監修】小島 令嗣(こじま れいじ) アレルギー専門医 

スギ花粉症は国民の約半数が罹患しているといわれており、春先に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
花粉症はある日突然発症するため、子どもはいつ頃から花粉症を発症する可能性があるのか気になる方もいらっしゃると思いますので、今回はその話をいたします。

子どもの花粉症は増えているの?

子どものスギ花粉症は増加傾向にあり、低年齢化が進んでいます。
鼻アレルギーの全国疫学調査2019によると、スギ花粉症の有病率は0~4歳で3.8%、5~9歳で30.1%、10~19歳で49.5%となっています。
またこの調査は1998年から10年ごとに行われており、すべての年齢層で増加傾向となっています。
5~9歳では1998年は7.5%でしたが、2008年は13.7%、2019年は30.1%と増加しています。

年々花粉症の患者が増加傾向にある原因としては、戦後の植林政策で植えられたスギが花粉を多く飛ばす樹齢にあるためといわれていますが、食生活の変化やストレスなどの影響ともいわれており、まだ詳しい原因は明らかになっていません。
花粉症はスギ以外にも、シラカバやブタクサ、カモガヤなど様々な花粉によって引き起こされます。

花粉症が子どもに与える影響や、症状について

花粉症は花粉によって引き起こされるアレルギーであり、その症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状と目のかゆみなどの目の症状が主にみられます。
花粉症の症状が強いと外遊びができない、不眠や集中力の低下など、子どもの健やかな成長と発達に影響を及ぼします。

また子どもの花粉症は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患を合併しやすいこと、急性副鼻腔炎(蓄のう症)や滲出(しんしゅつ)性中耳炎を併発しやすいなどの特徴があります。

花粉症に果物や野菜に対する口腔アレルギー(口の中が腫れたり、かゆくなったりする)が合併する場合もあります。
これは花粉の抗原と果物などの抗原が似ていることによって起こります。
シラカバの花粉症とリンゴやモモなどバラ科の果物の口腔アレルギーの合併が有名です。
スギ花粉症ではトマトの口腔アレルギーの合併が知られていますが、頻度は多くありません。

 

花粉症の診断と治療

今回はスギ花粉症を例にお話しします。
診断については、主に耳鼻科で問診、鼻などの診察、スギに対する血中IgE濃度の検査などから総合的に診断されます。
注意が必要なのは、スギの特異的IgE抗体値が陽性でも発症していない場合があり、将来発症するとは限らないということです。
そのため問診と診察の結果も併せて診断します。

花粉症の治療には、花粉対策(セルフケア)、薬物療法とアレルゲン免疫療法があります。

スギ花粉症の症状は、花粉によって引き起こされるので、マスクやゴーグルなどのスギ花粉対策は重要です。花粉の飛散時期には飛散情報をチェックして備えましょう。薬物療法としては、抗ヒスタミン薬などのアレルギーを抑える内服薬、鼻症状が強い時は鼻噴霧薬が追加で処方されます。目の症状には炎症を抑える点眼薬が処方されます。

アレルゲン免疫療法は「毎日少しずつスギ花粉の成分を体に取り入れて体を慣らしていき、症状が出ないようにする治療法」で、根本的な体質の改善が期待できます。
アレルゲン免疫療法の一つに舌下免疫療法があります。
「口に入れると溶けやすいスギ花粉エキスの錠剤を舌の下にしばらく含んでから飲み込む」という治療方法で、2018年からは5歳以上の子どもが受けることができるようになり、近年この治療法も増えてきました。
メリットとしてはスギ花粉症の寛解(体質改善)が期待できることですが、デメリットとしては長期間(3年以上)薬を続けなければならないことです。また1、2割程度の患者さんには効かないことがあります。

舌下免疫療法の薬剤を処方するには、耳鼻科であっても処方資格(特定の講習受講が必要)が必要であるため、免疫療法を希望される場合は、受診予定の医療機関に事前に確認することをお勧めします。

手洗い

『参考資料』
・松原篤ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2019(1998年, 2008年との比較):速報-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-.日耳鼻2020;123:485-490
・日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会:鼻アレルギー診療ガイドライン2020.ライフ・サイエンス.2020

《執筆・監修》

  • 小島 令嗣(こじま れいじ)アレルギー専門医 

    防衛医科大学校卒業。
    山梨大学 社会医学講座
    アレルギー専門医 
    専門分野:小児科学、アレルギー学、疫学・公衆衛生、母子保健

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