2021.11.29
熱を下げ、痛みを緩和する薬をまとめて解熱鎮痛薬といいます。
解熱鎮痛薬は発熱や痛みに効果がありますが、病気を治しているわけではありません。熱でつらいとき、熱による体力の消耗があるときに服用すると楽になります。
また、頭が痛い、手足が痛いなどの「痛み」は目に見えないので不安になりますよね。
子どもが痛みを訴えるときは我慢させるのではなく、「痛み止めをのんでおこうね」と言ってあげると子どもは安心し、痛くても頑張ろうとします。
子どもには主にアセトアミノフェンが使われます1)。かぜなどに処方されることが多い薬です。飲みやすいように、シロップ、ドライシロップなどの形状になっている製品もあります。
服薬は医師・薬剤師の指示にしたがい、決められた飲み方を守りましょう。
お子さんが熱を出してつらそうな時は、特に心配になりますよね。ただし、熱があるから必ず解熱鎮痛薬が必要というわけではありません。熱があってもお子さんが元気にしているなら、薬で熱を下げる必要はないという意見もあります1)。
また、痛み止めや熱さましの薬としてアスピリンやロキソプロフェンなどの成分を聞いたことがあるかもしれませんが、子どもには使われません1)。アセトアミノフェンの注射薬は入院したときに使われることがあります1)。
・かぜ(かぜ症候群)📖子どもの『 風邪 』をわかりやすく解説:(かぜ症候群 /普通感冒)
・インフルエンザ📖子どもの『 インフルエンザ 』はどんな症状?
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)📖『 おたふくかぜ 』ってどんな病気?
・突発性発疹📖『 突発性発疹 』ってどんな病気?
・手足口病📖『 手足口病 』ってどんな病気?
・ヘルパンギーナ📖『 ヘルパンギーナ 』をわかりやすく解説
・咽頭炎
など
<薬の形状>
シロップ、ドライシロップ、細粒、坐薬、錠剤
<特徴>
子どもによく使われる解熱鎮痛薬で、まずこの薬の処方が検討されます1)。飲み薬と坐薬があり、飲み薬にはシロップやドライシロップもあります。脳に働いて熱を下げる効果、痛みを和らげる効果があります。一般的には、服用は4~6時間以上の間隔を空けるように指示されています2)。
坐薬は飲み薬よりも速く効くという説がありますが、アセトアミノフェンに関しては、有効成分の吸収は飲み薬の方が速いとされます1)。
<注意>
市販のかぜ薬や痛み止め・解熱薬の中にアセトアミノフェンが含まれている場合があります。医療機関で処方された薬と一緒に服用しないように気をつけましょう。
<薬の形状>
顆粒、錠剤
<特徴>
炎症を抑える代表的な薬です。大人向けの頭痛薬、かぜ薬などに広く使われていますが、子どもでは、アセトアミノフェンに次ぐ薬の位置づけとして使われています1)。小児の頭痛薬としても使われます。
<注意>
市販のかぜ薬や痛み止め・解熱薬の中にイブプロフェンが含まれている場合があります。医療機関で処方された薬と一緒に使わないように気をつけましょう。
《 監修 》
松井 潔(まつい きよし) 総合診療科医
神奈川県立こども医療センター総合診療科部長。愛媛大学卒業。
神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て2005年より現職。
小児科専門医、小児神経専門医。
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