2020.03.09
排卵誘発剤には、内服(飲み薬)と注射があります。
飲み薬の代表はクロミフェンという薬です。脳に働いて、自分のホルモンバランスを強化することで発育卵胞数を増やします。比較的、マイルドな効き目です。
一方、注射はFSH製剤と呼ばれる薬が使われます。直接卵巣を刺激するので効き目が強いのが特徴です。
注射にはいくつかの種類があり、どれくらいの量を投与するかは、人によって異なります。また、卵胞の成長具合を確認しながら、投与する量を調整します。
たくさん卵胞を発育させるために、排卵誘発剤の注射を毎日打つことがあります。
毎日の通院が難しい場合には、かかりつけの病院や職場近くの病院で注射を行うことも可能です。
また、施設によっては、自宅で自分で注射を打てるように自己注射の方法を教えてくれる場合もあります。費用はやや高く、薬の種類は限られますが、排卵誘発剤の自己注射用のセットもあります。
ただし、自己注射を選んだ場合でも、2〜3日に1回は通院し、超音波検査や採血を行って卵胞チェックをし、注射の微調整をする必要があります。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院