2020.05.11
月経のときの痛みを月経痛(生理痛)といいます。
月経は、子宮から子宮内膜が剥がれて子宮の外へと押し出されて出血が起こります。このときに感じる痛みが月経痛で、多少の痛みは生理的な現象といえます。
しかし、人によっては強い痛みを感じて、仕事や学業など日常生活に支障をきたすこともあります。こうした状態を「月経困難症」といいます。
月経痛には、腹痛、頭痛、腰痛、吐き気、貧血、気持ちが悪いなどの症状がありますが、人によって程度はさまざまです。強い痛みが毎回続く場合には、なんらかの病気による痛みの可能性もあるので、一度産婦人科で診てもらったほうがいいでしょう。
なお、月経前3~10日の間に続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに減退する症状をPMSと呼びます。
月経では厚くなった子宮内膜が剥がれて、それを押し出そうと子宮が収縮し、このときに痛みが発生します。これは子宮内膜に多く含まれるプロスタグランジンというホルモンの働きによるものです。プロスタグランジンは月経のときにたくさん作られ、血液の中に入って、痛みを起こす物質を増やすといわれています。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院