妊婦健診で(風疹などの)抗体がないことが分かった時にできること【助産師監修】

2020.03.23

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妊娠中-コミュニケーション

妊婦健診で行う初期検査

妊婦健診で感染症のチェックとして、風疹やHIVなどの抗体がどの程度体にあるかを検査します。風疹の抗体検査にはHI法とEIA法と呼ばれる方法などがあり、HI法とEIA法では、検査する抗体の種類が違い、数値によって抗体があるかないかを判断します。

 

HI法の数値は8の倍数であらわされ、32倍以上あれば、風疹感染の予防に十分な免疫を保有していると考えられますが、それ以下の数値だと免疫力が不十分とされています。また、256倍を超える数値の場合は、最近風疹にかかった可能性があると判断されます。

 

EIA法では、使用するキットによって基準値が少しずつ異なりますが具体的な数値で抗体が示されます。陽性で「EIA価 8.0以上」もしくは「30IU/ml以上または45 IU/ml以上」の場合は十分な抗体があるとされており、陽性で「EIA価 8.0 未満」もしくは「30IU/ml以上または45IU/ml未満」の場合と陰性の結果の場合は抗体が不十分とされています。

 

多くの人は、予防接種を受けることで抗体ができますが、抗体ができない人も中にはいます。また、過去に予防接種をしていても、時間が経ち抗体価が低くなっている人もいます。

妊娠中に風疹にかかるとどうなるの?

風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。また、感染すると約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。症状は不顕性感染(感染しているけれども症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人してから発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。

 

風疹に対する免疫が不十分な状態で妊娠20週ごろまでの間に風疹に感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ先天性風疹症候群の子どもが出生することがあり、妊娠の早い時期ほどリスクがあります。

 

妊婦は予防接種が受けられないため、特に流行地域においては、抗体をもたない又は抗体価の低い妊婦は、不要不急の外出を避け、外出をする際には可能な限り人混みを避けるなど、風疹にかからないように注意が必要です。また出産後には予防接種を受けることができるようになるため、早めに行うことをおすすめします。

妊婦の周りの人が予防をすることが大切です

妊婦は予防接種を受けることができないため 、妊婦の周りにいる人(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等 )も、風疹に感染しないように予防に努めることが大切です。風疹の抗体価が低い妊婦の同居家族は、特に早めに風疹の免疫の有無を確認するための抗体検査を受けましょう。その結果、抗体価が低いことが判明した場合は、妊婦とおなかの子どもを守る観点からも予防接種を受けることを検討しましょう。

 

現在多くの自治体で、妊娠を希望する女性と妊婦の同居家族を対象として、風疹の免疫の有無を確認するための抗体検査を無料で受けることができる事業を行っています。自治体ごとに風疹対策の補助の有無や補助の額などが異なるため、抗体検査を希望される方は、事業で検査可能な医療機関を含めて、まずは居住地域の保健所にご相談ください。

 

なお、参考までに、過去の予防接種制度の変遷から、定期接種の対象については、目安として平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、昭和54年4月2日~平成2年4月1日に生まれた人は1回、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は0回です。

 

『参考サイト』

《 監修 》

  • 濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師

    大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。

    星薬科大学非常勤講師。助産師(アドバンス)・保健師。

    妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。

    また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。

    HP https://maieutics.co.jp/

     

     

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