妊娠初期 の体調の変化と赤ちゃんのようす(妊娠8週_妊娠9週_妊娠10週_妊娠11週)【助産師監修】

2020.02.03

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妊娠中-基礎知識

お母さんの体調の変化

妊娠前は、鶏の卵くらいの大きさだった子宮が少しずつ大きくなり、妊娠3カ月終盤(妊娠11週末)には握りこぶしくらいになります。

子宮は大きくなっていますが、まだ恥骨の陰に収まる大きさなので、お腹の膨らみは目立たないでしょう。

このころになると、月経(生理)前のように胸や乳首が張って少し触れただけでも痛みを感じるようになる人もいます。

妊娠初期は症状の感じ方も個人差がありますので、症状がなくても問題はありません。

 

妊娠3カ月は、つわりの症状がピークになるころです。

食べると吐いてしまったり、においにも敏感になり気分が悪くなることが多く、吐きつわりの人は体重が減ってしまうこともあります。(▶関連:つわり中の心配な症状(妊娠悪阻)

 

この時期の胎児の成長には、母体が蓄えていた栄養で十分だといわれています。

つわりで食事が思うように取 れない人は、「食べたいものを食べたい時に食べられるだけ」で大丈夫です。

逆に、空腹だと気持ち悪くなる食べつわりの人は、空腹を満たすものの栄養バランスを考え、体重が増えすぎてしまわないように気を付けましょう。

 

妊娠3カ月ごろは黄体ホルモンが活発に働く時期です。

黄体ホルモンは良質なたんぱく質コレステロールによって作られていますので、良質なたんぱく質の摂取を心がけましょう。その他にはビタミン群や鉄分、葉酸などを気にかけて摂取しましょう。

 

また、妊娠初期は、おりものの量が増える傾向にあります。

量が多い以外に変化がな ければ心配はいりません。しかし、色が付いていたりにおいがある、かゆみや痛みを伴うなどの症状があれば、かかりつけ医に相談しましょう。

中には胎児に影響を与えるような感染症もありますので、早めの相談をおすすめします。

おりものに少量の出血が混ざっている場合は、安静にしてすぐに止まる出血であればさほど心配はいりませんが、初期の出血は切迫流産などの兆候でもあります。もしトイレで確認するたびに血が混じっているような場合には、かかりつけ医に連絡をしましょう。

 

 

妊娠3カ月ごろになると、「リラキシン」という卵巣ホルモンが分泌されはじめます。
これは産後2~3日目まで出るといわれ、関節や靭帯を緩める作用があります。

そして緩んだ関節や靭帯を支えるため、筋肉や関節に負荷が増えますが、さらにお腹が大きくなるにつれて、腰への負担も大きくなり腰痛を引き起こすのです

。激しい運動は腰に負担をかけてしまいますが、適度に体を動かすことも大切で、ウォーキングなどの軽い運動をしてみましょう。また、この時期から正しい姿勢を意識することも大切です。

 

 

妊娠中にはホルモンバランスが変化し、色素細胞のメラノサイトの活動を活発にしてシミやソバカスが増えます。また、妊娠中は紫外線に弱くなり、シミができやすい時期でもありますが、妊娠中のホルモンバランスの変化によって増えたシミやソバカスは、産後自然に消えることが多いようです。しかし、紫外線対策を怠ってしまいできたものは消えませんので、外出の際には日焼け対策を忘れないように気を付けましょう。

 

まだお腹の膨らみはそれほどでもありませんが、お腹の中の赤ちゃんは胎児と呼ばれ、人間らしい動きを見ることができるようになります。お母さんの身体 にもホルモンバランスの変化からおこる変調などから「妊娠した」という実感を感じてくるのではないでしょうか。

つわりもこのころがピークで、もう少しで迎える安定期を目指して今を乗り切りましょう。

気を付けたいポイント

≪運動について≫

妊娠3カ月頃は、まだ胎盤が完成しておらず不安定な時期です。日常的に運動の習慣のある人でも、激しい運動は避けましょう。
日常生活は普通に過ごせますので、気分の良い日に外へ散歩に出かけてみたりしてはいかがでしょうか。
家ではつらいつわりも、外出すると和らぎ、気分転換にもなりますよ。
自転車は、日常的に自転車を使っている人や上のお子さんの送り迎えなどでどうしても乗らなければならないこともありますが、体調が安定しているようであれば、強い振動を避け、転倒によく注意して乗りましょう。お腹の張りや出血があった場合には、すぐかかりつけ医に相談してくださいね。

 

 

≪母子健康手帳をもらい、行政とつながりましょう≫

このころになると、母子健康手帳が交付されます。自治体によって受け取り方が様々ですので、市役所の子育て窓口や近くの保健所、子育て支援センターなどに問い合わせてみましょう。(▶関連:母子健康手帳を活用しよう)

母子健康手帳は、自分で申請して受け取りに行かなければなりませんので、忘れずに申請しましょう。

手帳には、妊娠・出産・子育てに必要な情報や成長の記録ができるようになっています。母子健康手帳と一緒に自治体が交付する妊婦検診の補助券(妊婦健康診査受診票)も受け取ることができます。

 

また、この時に地域の保健師さんや子育て支援サービスの人材とつながれるよう、情報を得ておきましょう 。

妊娠3ヵ月ごろの赤ちゃん

胎芽と呼ばれていた赤ちゃんは、妊娠8週に入ったころから「胎児」と呼ばれるようになります。

妊娠11週の終わりごろには9cmくらいの大きさになります。

 

人間らしい体に成長し、心拍も確認できるころです。

このころの胎児には、大きさにあまり個人差がありませんので、頭のてっぺんからおしりまでの長さ(頭殿長(CRL))を測り妊娠週数を推定して出産予定日を算出します

それまでは「最終月経開始日」から予測の出産予定時期が計算されていましたが、頭殿長を測ることで、より正確な出産予定日に修正されます。

 

このころの超音波診断では、すっかり人間らしい姿に成長した赤ちゃんが確認できるようになります。

まだ10cmにも満たない小さな体ですが、元気に動くようになります。羊水の中で動いたり、手足を動かしたりする場面に出会えるかもしれません。

また、内臓が形成されるころでもあり、羊水を飲んで尿を排泄することも始めます。

 

そして、11週ごろには外性器が形成され、男女の差が出てきます。

ただし、まだとても小さいので、超音波で確認できるようになるのはもう少し先です。

《 監修 》

  • 濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師

    大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。

    星薬科大学非常勤講師。助産師(アドバンス)・保健師。

    妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。

    また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。

    HP https://maieutics.co.jp/

     

     

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