2020.10.19
みなさんはどんな出産をしたいと思っていますか?
出産のスタイルはさまざまで、例えばパパや家族に付きっきりでいてほしい人もいれば、陣痛の間は、むしろいてほしくないと考える人もいます。
そこで、前もってお産への希望を確認して計画を助産師さんと相談しながら作っておくのがバースプランです。バースプランについての詳細は▶家族でバースプランを書いてみよう!の記事もお読みください。
ただし、ママの体調や妊娠中のトラブルのため希望通りに行えない場合もあります。また、病院によっては受けられないプランもあるので、希望のバースプランがある場合は病院選びの段階で確認しておきましょう。
大切なのは、ママや家族が納得できて、かつ安全な出産です。そのためにもイメージだけに頼らず、十分に内容を検討してバースプランを選ぶようにしましょう。
分娩は大きく分けると、経腟分娩か帝王切開になります。
バースプランについては、経腟分娩においてどのようなお産にしたいのかというケースがほとんどですが、予定された帝王切開であればバースプランを相談することもできます。
自然分娩(経腟分娩)
現在の日本でいちばんポピュラーな分娩方法です。陣痛が自然に始まるのを待ち、お産の流れに任せて経腟分娩をします。お産の途中で陣痛が弱くなったら陣痛促進剤を使用したり、赤ちゃんがなかなか出ない場合は鉗子(かんし)分娩や吸引分娩を行ったりすることもあります。
《無痛分娩(和痛分娩)》
麻酔を使うことで陣痛を緩和する出産方法です。硬膜外麻酔といって背中から細い管を入れ、そこから麻酔薬を投与することで陣痛を和らげる方法が多く用いられています。麻酔の量をコントロールすることで、ある程度の張り感を残していきむことができます。
《計画分娩》
あらかじめ出産のための入院日を設定し、陣痛促進剤や子宮の出口が軟らかくなる処置をする分娩です。無痛分娩は計画分娩にすることが多いです。計画分娩を積極的に行っているクリニックと行っていないクリニックがあるので、病院選びの際にきちんと確認しておきましょう。
帝王切開
下腹部を切開し、子宮も切開して赤ちゃんを直接取り出す手術です。通常の分娩が困難な理由がある場合や、緊急に赤ちゃんを出さないと母体や赤ちゃんに危険が及ぶ場合に行います。
《予定帝王切開》
前回の分娩が帝王切開だった、さかごが改善しない、赤ちゃんの頭が骨盤に比べて大きすぎるなど、経腟分娩ではリスクが高いと予想される場合に、あらかじめ日にちを決めて行います。
《緊急帝王切開》
自然分娩を予定していたけれど、分娩前や分娩中に赤ちゃんや母体が危険な状態になった場合に行います。主な理由としては、分娩の停止、胎児機能不全、妊娠高血圧症などがあります。
《 監修 》
井畑 穰(いはた ゆたか) 産婦人科医
よしかた産婦人科診療部長。日本産婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医。東北大学卒業。横浜市立大学附属病院、神奈川県立がんセンター、横浜市立大学附属総合周産期母子医療センター、横浜労災病院などを経て現職。常に丁寧で真摯な診察を目指している。
▶HP https://www.yoshikata.or.jp/ よしかた産婦人科