【さりさんの働き方】妊娠初期に、突然の自宅安静指示とパートナーの協力

2020.04.13

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妊娠中-リラックス

取材をした二人の情報

【お名前】
妻[さりさん]、夫[たかしさん]
【妊娠当時のご年齢】
妻[30]現在妊娠6カ月 夫[32]
【職種】
妻[広告] 夫[IT関係]
【勤務形態】
妻[派遣社員] 夫[正社員]
【勤務時間】
妻[10:00-17:00]※妊娠前から時短勤務だったが、通勤緩和のためさらに時間短縮 夫[フレックスタイム制
【通勤時間】
妻[1時間] 夫[40分]
【病院】

妊娠7週目で不妊治療専門クリニックからレディースクリニックに転院

病院でわかった症状はありますか?

妻:通院していた不妊治療専門クリニックで妊娠6週頃に正式な妊娠診断を受けたのと同時に、子宮内に出血が見られたため切迫流産と診断されました。外出血があったわけではなかったので、自覚症状は皆無で私も夫もただただびっくりしました。未知なことだったので、夫はとても心配していましたね。自宅安静の指示が出て、突然会社を2週間もお休みすることになり迷惑をかけてしまうことになったり、私自身は元気なのに、自分の身体の中で自分には自覚がないまま、わからないことが起こっていることに少し怖くなったりしました。

 

夫:切迫流産と診断され、始めての妊娠の中で少し慌ててしまいました。医師からは安静にするようにとアドバイスを受けたため、基本的には家事は私が担当しました。また、家事だけではなく不安な思いを一番するのは妻なので、精神的なフォローもできるよう、できるだけ前向きに明るく生活するように心がけました。

 

妻:あとは風疹の抗体が基準値ほどしかないことも不妊治療専門クリニックでの血液検査でわかっていました。基準値あるから大丈夫!と思いましたが、足りないという認識だそうです・・・予防接種を受ける前に妊娠が発覚したので受けられず、夫や家族に協力をお願いしました。私の父はちょうど予防接種を受けていない世代だったので、妊娠を報告した後すぐに抗体検査に出向いてくれました。結果的には、風疹にかかったことがあり抗体はあったようです。私自身は周りに協力をお願いすることしかできないので、こうしてすぐに行動してくれたことでとても安心できました。

自宅安静中はどのように生活していましたか?

妻:病院で医師から、「可能な限り横になっている。腹圧をできるだけかけない。」などの指導があったので自宅安静中の私は、基本的に食事、お手洗い、お風呂以外はずっとベッドの上での生活でした。夫は仕事に行き日中は家で1人になるので、1日1日がとても長く感じました。切迫流産の自覚症状はなくても、つわりによる体調の悪さは普通にあったので、1人でいるとネガティブに考えることも多かったです。何か気を紛らわすいい方法があればよかったなと思いました。

 

夫:妻が言うように、日中1人でいる時間は不安な思いをするだろうと思っていたので、仕事の合間を見て様子を聞くメッセージを送ったり、帰宅後はなるべく明るく楽しい生活ができるように心がけました。仕事も後ろ倒しにできるものは調整し、可能な限り毎日早く帰宅して、妻と一緒に過ごせるようにしていました。妻は安静にしていなければならなかったので、この期間は家事や炊事等はすべて私がこなすようにしていました。ただ、部屋の片付けはいつも妻がしており、私は片付けが大の苦手なので、見る見るうちに部屋が荒れていくのがわかりました。(笑)

自宅安静解除後の仕事や通勤の対策は?

妻:切迫流産で2週間の自宅安静になった時は丸々欠勤になりました。幸いその2週間で自宅安静は解除されましたが、通勤で圧迫の強い満員電車を使っているので、通勤緩和で出勤時間を1時間遅くして頂くことにしました。10:00〜17:00の実働6時間なので、収入は大きく減ることになり毎月貯金に回していたお金が減ってしまって痛いですが、夫も「身体を優先して、無理はしないで」と言ってくれているので、今は無理をせずにできるだけ産休ギリギリまで働くことを目標にしています。

 

夫:自宅安静の指示が解除されて妻が職場復帰してから、妻が仕事や通勤のペースを掴むまでは、可能な限り基本的な家事を私が担当するなどのフォローは続けました。また、電車通勤で気分が悪くなることも多かったようで、通勤の際はなるべく空いている車両を調べて伝えたり、私も同じ時間の電車に乗ったりして、通勤の負担を少しでも減らす努力を心がけていました。

 

妻:2週間の自宅安静期間を有休ではなく欠勤にしたのは、有休が多く残っていなかったのも理由ですが、傷病手当の申請を検討したのと、育児休業給付金が11日間賃金支払いがある月の給与を元に計算され給付されると聞いたからです。2週間も休んでしまったのでこの期間が計算対象にならないように、11日以下になるようにしました。厚生労働省のHPを確認すると、受給条件に「育児休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を1か月とする。」と記載がありました。また、私が登録している派遣会社に問い合わせたところ、産休開始日を含んだ雇用契約があれば、育児休業給付金を受給できるそうです。その他の勤務期間等の受給条件も私は現在満たしている状態だと教えて頂けました。これまで保険料など支払ってきましたし、これから仕事ができなくなり収入が無くなる上で、給付金はとても助かる制度なので、最後の受給条件を満たすことができるようにそれまで仕事を続けたいと思っています。

つわり期の生活や仕事の工夫は?

妻:自宅安静が解除になってからは普通に仕事に復帰ができましたが、体調は優れない日が多く、勤務時間中に夫がこまめに体調は大丈夫か、との連絡を入れてくれました。体調がいい時も優れない時も、夫がそれを把握してくれるのと理解をしようとしてくれるのがとても心強かったです。私は食べづわりだったので、仕事中は空腹にならないように、こまめに胃に食べ物を入れるようにしていました。デスクワークな上、それがしやすい環境だったので、とても助かりました。

また一番気持ち悪くなりやすいのが人口密度が高くてムワッとした匂いがしたり、座ることができない通勤電車でした。ちょうどインフルエンザや風邪の流行る時期でもあり、電車内での飲食は控えたかったので、通勤緩和はして頂いていますがそれでも通勤電車は少し辛かったです。

あとは大好きだった生野菜が好みの変化なのか食べるのも調理をするのも嫌になってしまいました。妊活中に夫と野菜中心の生活をしていたので、私の変貌具合に夫はとてもびっくりしていましたね(笑)つわりの期間は料理以外の家事も私はほぼノータッチで、ほとんど夫がしてくれました。

 

夫:私は仕事で夜遅くなることが今まで多かったのですが、この期間は可能な限り早い時間に帰宅をするように心がけて、とにかく妻がその時食べられるものを用意するようにしていました。今まで大好きだった生野菜やお肉が苦手になっていたりと好みの変化もあったので、こまめに食べられるもの、食べたいものを聞きながら買い物に行くようにしました。こなせる家事はなるべく担当するように意識して、妻の心身に負担をかけないように努めました。食欲が減退していたこの期間でも、旬のいちごはとても食べやすかったようで、ストックは切らさないように気をつけていました。家計簿にいちご代という項目を追加してもいいくらい、いちごの出費がありましたね(笑)

 

妻:元々いちごは好きだったのですが、たぶん人生でいまが一番いちごを食べていると思います(笑)料理をしなくていいし、吐き気がきたときに冷蔵庫から一粒出して洗ってすぐに食べられるし、吐き気が落ち着くんです。つわりの時期がちょうどいちごが旬で本当に助かりました(笑)

パートナーのサポートで助かったことは何ですか?

妻:つわりが落ち着いて体調が安定した現在も、基本的に日常生活のすべてのことをサポートしてくれていてとても助かっています。妊娠出産の本を何冊も買ってきて熟読していたり、食事の買い物は休日に一緒に行って荷物を持ってくれたり、お風呂掃除を済ませてくれていたり、私が日中眠くなった時は察してくれて寝るように促してくれたり…。一番気が効くなあ!と思ったのは、私が寝るときにベッド横に飲み物を用意してくれることです。本当に一日中喉が渇くし、夜寝ている間も何度も起きてしまうんですよね。ちなみに夜は妊娠中の栄養を補うサプリメントも一緒に用意してくれます(笑)喉が乾きやすいって妊婦あるあるだとは思うんですが、自分が妊娠するまで私も知らなかったですし、あまり周知されていることではないと思います。だからこそ、そこまで気がついてくれるのはすごいなと感心しました。あとは妊娠中の食事に関して、夫はとても厳しく管理してくれています・・・

 

夫:自分はお腹の中に赤ちゃんを宿し、産めるわけではありません。当たり前ですが、母親にしかできないことなんですよね。だからせめて知識だけは身につけて、的確な判断や支援ができるようにと本屋さんにある妊娠・出産コーナーの本を読み漁りました。そうして得た知識や、妻との細かなコミュニケーションを通じて、妻が本当に必要なサポートは何かを考え、サポートするようにしています。妻も言いましたが、我が家で一番頻繁に必要になったサポートは、食べていいものと食べてはいけないものをきちんと管理することでした。妻はそういうところに無頓着なのか、あまり気にする様子がなかったので、例えば刺身やマグロ、生卵は避けたほうが良いなどといったところは私がきちんと言うようにしました。妻は「厳しい・・・」と文句を言いますが(笑)でも二人で食事をする際は、基本的に妻が食べられないものは私も食べないようにし、一緒に頑張って取り組んでいる雰囲気を出すようにしています。無事に出産を終えたら、妻と一緒に我慢しているお寿司を食べることが、今の楽しみですね(笑)

妊娠中のいま気をつけていることはなんですか?

夫:とても当たり前のことなのですが、妊娠・出産を通じて自分が父になる当事者だと強く意識するように気をつけています。男性は妊娠出産の際に身体的な変化がない分、きちんと意識しないと何も変わらない生活を送ることも可能になってしまいます。妻と細かくコミュニケーションを取り、自分がサポートできることはできるだけサポートすることを意識して、二人で一緒に、妊娠・出産・子育てをしていくんだという気持ちを持つところがやはり基本であり、大事なことなのかなと考えています。

 

妻:良くも悪くも私はあまり物事を深く考えないタイプの人間なので、夫がこういう人でとても助かっています。(笑)今はその気遣いに甘えながら、健康的に過ごすことが大切だと思っています。

今後の仕事についてはどう考えていますか?

妻:私は今派遣社員として働いているので、産休に入るタイミングで現在の仕事は辞めることになりますが、その後については次の春のタイミングで保育園に入ることができれば、仕事復帰しようと考えています。これからの長い人生を考えていく上で、共働きであることはいろんなリスクを回避できる要因であると思いますし、家族構成もまだ変わる可能性もあります。夫婦や家族の今後を考える上で、私の働き方も考えていこうと思っています。

現在の派遣でのWeb系の仕事にはとてもやりがいを感じ楽しく仕事ができていて、出産後も子どもを見ながらリモートワークでこの仕事ができたら理想だなあと心の中では思っていますが、派遣社員なのもあり、なかなかそうはいきません。現在は通勤に1時間ほどかかっており、私たち夫婦の実家も遠方で頼れる人も近くにいません。通勤時間が長いと労働時間が必然的に短くなってしまいますから、収入もあまり見込めなくなってしまいます。ですので、出産後に仕事復帰する時は、保育園の送り迎えや子どもの体調不良など、急な出来事の対応が可能な範囲の距離で仕事を探す形になるかと思っています。

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