2021.05.24
○卵管狭窄や閉塞の場合:
閉塞が片側の卵管だけであれば、開通している側の卵管を使用して妊娠することは可能です。両方の卵管が閉塞している場合は、体外受精でないと妊娠は不可能です。
また、卵管閉塞以外の不妊原因がない場合は、卵管鏡下卵管形成術(FT)で卵管を通過させる手術があります。
○卵管留水症:
卵管留水に針を刺して、中の液体を抜く治療や、卵管を切除する手術があります。卵管留水症がある場合は、おなかの中が癒着している可能性が高いです。卵管から貯留した液体が子宮に逆流し、不正出血や褐色の帯下(おりもの)として出てくる場合には、不妊の原因になるので手術をしたほうが良いでしょう。
両方の卵管を切除した場合は、体外受精でないと妊娠は望めません。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院