精子無力症 ・乏精子症・精子奇形症はどんな症状?原因や治療法について(不妊治療)【医師監修】

2021.06.30

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不妊の原因:精子無力症・乏精子症・精子奇形症とは?

精子無力症は、〈精子の運動率が低下した状態〉を指します。
乏精子症は、〈精子の数が少ない状態(精子濃度が少ない状態)〉をいいます。
精子奇形症(奇形精子症)は、〈精液中に含まれる正常な形をした精子の数が非常に少ない状態〉をいいます。

 

多くの場合で精子濃度のみが低下していることは少なく、同時に運動率や正常形態精子率も低下していることが多いです

このような状態を、乏精子症(Oligozoospermia)・精子無力症(Asthenozoospermia)・奇形精子症(Teratozoospermia)の頭文字をとってOAT症候群(oligoasthenoteratozoospermia syndrome)といいます。

 

WHO(世界保健機関)では、以下の基準を定めています。
検査の結果にはばらつきもあるので、3回の検査の平均をとることも勧めています。

  • 精子無力症:精子の運動率が40%未満。
  • 乏精子症:1ml中の精子の数が1,500万未満。
  • 精子奇形症:正常形態精子率が4%未満。

精子無力症・乏精子症・精子奇形症の原因は?

精子無力症・乏精子症・精子奇形症は、精子を作る機能(造精機能)に何らかの問題があって元気な精子が作られにくくなり、元気な精子の数が少なくなっていると考えられます。

 

その原因の1つとして、精巣の静脈が逆流して瘤(こぶ)のようなものができる精索静脈瘤があります。

また、ホルモン分泌異常(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症)というケースもあります。

しかし、多くの場合は原因不明です。

 

精子無力症・乏精子症・精子奇形症の治療

精索静脈瘤の場合は、静脈瘤の血流を遮断する手術療法があります。

それにより、その後、精液検査の結果が良くなる可能性があります。

ホルモン分泌異常の場合は、不足しているホルモンを補充するホルモン療法を行います。

 

原因が分からない場合、漢方薬やビタミン剤、サプリメントなどが処方されることがあります。

しかし、効果は人によって差があり、薬物療法やサプリメントを摂取しても精液検査の結果が良くなるかどうかは分かりません。

また、薬の服用を始めてから精子が作られるまでには時間がかかります。

そこで、精子無力症・乏精子症・精子奇形症を治すのに専念するのではなく、そうした治療と並行して、人工授精体外受精顕微授精にトライするのが現実的な方法といえます。

《 監修 》

  • 洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医

    聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。

    不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。

    HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院

     

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