2020.06.22
精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、精子を作る精巣の周辺に血液が溜まってしまう病気です。
精索静脈瘤があると精巣の温度が上がってしまい、精子を作る機能(造精機能)を低下させることがあります。
精索静脈瘤があっても自覚症状がないことが多く、気がつかないことが多い病気です。
男性不妊患者の21〜39%で精索静脈瘤が認められます。
精索静脈瘤は、精巣から血液が心臓へと戻る静脈の血液が滞り、血液が逆流して、瘤(こぶ)のようにふくらんだ状態になる病気です。お年寄りの足などに静脈瘤ができますが、それと同じことが精巣の近くで起こっているのです。
精索静脈瘤があると精巣の温度が上がってしまいます。精巣は熱に弱く、造精機能が低下すると元気な精子を数多く作ることができなくなります。すると、乏精子症や精子無力症など、精液検査の結果が悪くなる原因になります。どうして精索静脈瘤が起こるのかは、はっきりと分かっていません。
精索静脈瘤は自分では気がつかないことが多いのですが、静脈瘤が大きくなっていると自分で触って気がつくことがあります。病院では、視診や触診、精巣の超音波検査などで診断します。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院