『 伝染性紅斑 (りんご病)』はどんな病気?潜伏期間や子どもが罹った時のホームケアは?【医師監修】

2022.09.30

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『 伝染性紅斑 (りんご病)』

目次

1.  伝染性紅斑(りんご病) とはこんな病気

2.  伝染性紅斑(りんご病) の原因と症状

3.  伝染性紅斑(りんご病) の検査でわかること

4.  伝染性紅斑(りんご病) の治療法と薬

5.  伝染性紅斑(りんご病) のホームケアと予防

1.  伝染性紅斑(りんご病) とはこんな病気

年齢別:0歳~
どんな症状:発熱、赤い発疹など
症状があらわれる体の部位:顔、腕、脚など

 
伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)は、幼児・小学生を中心に発症するウイルス感染症です。
両頬にりんごのような赤い発疹が現れることから、「りんご病」(ほっぺ病)とも呼ばれています。
原因となるのは「ヒトパルボウイルスB19」で、冬から春~初夏にかけて、といったように一定の時期・地域で流行し、全国的には4~6年くらいの周期で流行しています1)
直近では2018~19年に流行の波がありましたが1) 、22年は7月までにその兆しは報告されていません2)
症状は自然によくなりますが3,4) 、必要に応じて症状(発疹のかゆみなど)に対する治療が行われます。

2.  伝染性紅斑(りんご病) の原因と症状

ヒトパルボウイルスB19が飛沫を介して、または飛沫に触れた手指を介して、のどや鼻から侵入して感染するのが原因です。
感染後、10~20日の潜伏期間を経て3) 、両側の頬にりんごのようにくっきりとした赤い発疹(紅斑)が現れます。
頬だけでなく、腕や、脚あるいはお腹や背中、胸にも赤い発疹が出現することがあります1)
半数の人にかゆみがあり3,4) 、発疹は原則として水疱(水ぶくれの状態)になることはありません3)
 
皮膚の発疹が出る前に、せき、けん怠感、微熱、筋肉痛、鼻水、頭痛、咽頭痛(のどの痛み)といった、かぜのような症状が現れることもあります。
大人、特に女性では、手指の関節の痛み・腫れ・こわばりを感じる人もいます1,3)
 
 
一方で、ウイルスに感染しても、およそ4人に1人は症状が現れません1)

発疹は1週間前後で消えますが、いったん発疹が消えても日光や精神的なストレス、気温の上昇などをきっかけに再び現れることがあります。
  
かかりやすいのは幼稚園児(~5歳)から小学生(6~12歳)ですが、それより小さい子や大人もかかります1,3,4)
妊婦が感染すると、おなかの赤ちゃんにうつること(垂直感染)があります。
流産などにつながる可能性があるので、注意が必要です1)

伝染性紅斑(りんご病)の症状まとめ

伝染性紅斑(りんご病)の症状
・潜伏期間は10~20日
・かぜのような症状が現れる
・両側の頬にりんごのようにくっきりとした赤い発疹(紅斑)が現れる
・発疹は顔=リンゴ様、腕脚=レース状になることが多い
・発疹は1週間前後で消えるが、再び発疹が現れることもある

3.  伝染性紅斑(りんご病) の検査でわかること

通常、医師は特別な検査をせずに、患者さんの症状や地域の流行状況をもとに診断します。
血液の検査で、ウイルスに対する抗体が増えているかどうかを調べることがあります3,4)

4.  伝染性紅斑(りんご病) の治療法と薬

原因であるウイルスの増殖を抑える薬はありませんので、かゆみに対してかゆみ止め(飲み薬や塗り薬)、痛みに対して痛み止めといったように、症状を和らげる治療が行われます3,4)

5.  伝染性紅斑(りんご病) のホームケアと予防

発熱やけん怠感があれば安静にしていましょう
発疹はパルボウイルス感染症に対する反応なので発疹があっても感染はしません1,3,4) 。登校・登園は体調が悪くなければ可能です。
 
ただ、見方を変えれば、発疹が現れる前の「かぜのような症状」が出ている期間は、他の人への感染力があるということです3)

しかしながら発疹がないので伝染性紅斑の診断はできません。
発熱やけん怠感があるときは、自宅で安静にしている方がよいでしょう。
 

お母さんが妊娠いる場合の注意点

地域でりんご病が流行している場合は、

・手洗いの徹底をする
・家族で食器の共有を避ける
・保育園内や学校内に入らないようにする

といった対策をとりましょう1)

『参考資料』

1) 国立感染症研究所・厚生労働省.感染症週報.第21巻14号.2019 
2) 国立感染症研究所・厚生労働省.感染症週報.第24巻27号.2022 
3) 金子堅一郎編.イラストを見せながら説明する子どもの病気とその診かた.南山堂.2015
4) 大塚藤男.皮膚科学第10版.金芳堂.2016

《 監修 》

  • 松井 潔(まつい きよし) 総合診療科医

    神奈川県立こども医療センター総合診療科部長。愛媛大学卒業。

    神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て2005年より現職。

    小児科専門医、小児神経専門医。

     

     

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