不妊治療 と仕事の両立ってできるの?実際にある不妊治療支援の休暇制度【社労士監修】

2023.01.26

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妊娠希望-働き方

珍しくなくなった企業の不妊治療支援

不妊治療について、保険適用が開始されるなど制度が整いつつある昨今ですが、2023年1月現在、働き方に関しては特に法令上の配慮が義務付けられていません。
しかしながら、少子化が社会全体の問題として捉えられるようになって久しく、企業努力として不妊治療に関連した特別な制度を設けている企業も、大企業がメインではありますが珍しくなくなってきました。
厚生労働省も、企業向けに不妊治療と仕事の両立に関するリーフレットを作成し、そのような取り組みを積極的に推奨しています。

今回は実際にある不妊治療支援のための休暇制度をご紹介します。

退職をせずに長期休暇を検討できる、不妊治療休職制度

これまで企業の休職制度といえば、入院を伴うなどの長期療養が必要な傷病を患った場合の他は、海外留学や特別な出向、配偶者の海外赴任に帯同する等、特殊な事由に限られていることがほとんどでした。

 

そこに近年、休職できる事由の一つとして、不妊治療を加える企業が出てきたのです。

不妊治療を経験した方のうち16%が、通院回数の多さや日程調整の難しさ・精神面での負担などを理由に不妊治療と仕事を両立できずに離職しています。1)

これから就職する方や、不妊治療は検討したいけれど退職はしたくないと考えている方は注目したい制度です。

 

一般的に休職期間は無給となり、就労できない傷病というわけではないため、健康保険の傷病手当金の対象にもなりません。

体外受精顕微授精を行う場合は最長1年」などという長い期間を設定している企業もありますが、収入の減少には気を付けなくてはいけません。

もちろん、一部給料が出るような制度としている企業や、無給ではありますが休職中の社会保険料だけは負担する企業なども存在します。
制度がある企業にお勤めの方は、人事などの担当部署に確認してみましょう。

 

 

不妊治療特別休暇

休職となると仰々しく感じる方もいらっしゃると思いますが、通院に必要な時間として1日や半日、時間単位での特別休暇を設定している企業もあります。
休職と同様に、無給であったり、治療開始から一定期間は有給であったりと、企業ごとに扱いは異なります。

失効年休の積立休暇制度に不妊治療を追加する企業が増加

有給休暇の有効期限は法律上2年です。

多くの企業では法律に則り、付与から2年間で使用しなかった有給休暇について、権利を消滅(失効)させています。

この失効した有給休暇を「積立休暇」として計上しておき、特定の事由が発生した時のみ使用できる制度を設けている企業が一定数あります。

病気や介護、ボランティア活動等を取得できる事由として規定しているケースが多いですが、ここに不妊治療を追加する企業が出てきています。

有給か無給であるかは、やはり企業ごとに扱いが異なります。

休職や特別休暇も同様ですが、治療中であることが分かる書類の提出を求められることがあります(有給である場合はその可能性が高いといえます)。

また、長期間の休職・休暇取得となる場合は、賞与や退職金への影響があるかも確認しておくとよいでしょう。

まとめ

今回は不妊治療に関連する制度として『不妊治療休職制度』『不妊治療特別休暇』『失効年休の積立休暇制度』の3つをご紹介しました。
年次有給休暇以外にも、ご自身の会社でこのような制度があるかもしれません。
有給か無給かも合わせて、確認をしてみましょう。

 

 

《 監修 》

  • 木幡 徹(こはた とおる)  社会保険労務士

    1983年北海道生まれ。大企業向け社労士法人で外部専門家として培った知見を活かし、就業規則整備・人事制度構築・労務手続きフロー確立など、労務管理全般を組織内から整える。ベンチャーでのIPO準備を経て、現在はM&Aに積極的な上場企業に在籍。企業側・労働者側のどちらにも偏らない分析とアドバイスを行う。

    HP https://fe-labor-research.com/

     

     

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