はぐふる対談vol.1「妊活時の体質改善は、妊娠のしやすさと直結しているのか?」【助産師監修】

2024.04.15

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濵脇文子先生に聞いた「妊活時の体質改善は、妊娠のしやすさと直結しているのか?」

*アンバサダー対談インタビュー第一回目*

 

――今回、2月に行った懸賞アンケート「妊活時の体質改善について、何か気をつけていることはありますか?」の回答をもとに、濵脇文子先生に話を伺いたいと思います。

アンケートでは、こちらの質問に約30件のコメントをいただきましたが、多くの方が「サプリの摂取、運動、葉酸の摂取、体を温めること、飲み物の選択、お菓子の制限」などを行っていると回答いただきました。

しかし、コメントの中には、体質改善が妊娠のしやすさと直結しているのかについてはわからず、何から手を付けるべきか悩んでいるという意見も多く見受けられました。
そのため、今回はその点について詳しくお話を伺いたいと思っています。
濵脇先生よろしくお願いいたします。

濵脇

よろしくお願いいたします。
こういうことはなかなか難しいですよね。
例えば、「運動を10分したら卵(排卵)が3つできます」とかそういう話だとみんな実践しやすいと思いますが、そういうことではないので。

 

――はい。

 

濵脇

しかし、自分で自分の体に意識を向けることは、妊活をする際には非常に重要なことだと感じます。
結婚して性行為をすれば必ず妊娠できるわけではありません。
自分の体質には問題がなく、他の要素が関与していることもありますし。
逆に、体に何も支障がないと思っていても、実は無理をしたり我慢をしたりしていることが影響して体を崩すケースもあります。
なので、子どもを望むという思いから、自分の体に意識を向けたり、ケアをしたりすることが重要なんです。

 

――自分の体を意識とは、具体的にどのようなイメージなのでしょうか?

 

濵脇

例えば、体を温めることも重要な要素の一つになります。
普段は体が冷えていると感じない方もいるかもしれません。
でも、表面的にはあたたかく感じても、実は体の中は冷えていることがあります。
夏場は、冷房などの影響で体全体が冷えてしまうこともありますね。
こうしたことが、全体的な不調の原因につながることもあるんですよ。

 

――確かに、体を冷やさないことを目的として白湯を飲まれる方もいらっしゃいますね。

 

濵脇

そうですね。体の冷えから、血流が悪くなったり、子宮環境に影響がでたり、他の様々な要素に影響を与えてしまうことがあります。
妊娠を望む気持ちをきっかけに、自分の体を見直し、運動や食事などの改善で快適な状態に整えることで、体のパフォーマンスも向上する
といえます。
お菓子の摂取を減らす、食べ物や飲み物に気を付けるなどの対策は、特に体重が過剰な方にとっては有効だと思います。
実際に、体重が過剰だと妊孕性(にんようせい)が低下するというエビデンスがありますので、適正な体重を保つことが重要になります。
なお、日本の場合は、太っていて妊娠できない人よりも、痩せていて妊娠できたとしても、その後の子どもの発育に影響が出ることが問題になっていたりします。
栄養が十分に赤ちゃんに届いていない状態になる。
これは深刻な問題です。

上記を踏まえ、何と言いますか、はっきりとした答えではないかもしれませんが、体質改善は単に妊活の話ではなく、より広い視野で考えるべきだと思うのです。
私が提案するのは、ただ妊娠するために妊活を行うのではなく、体を整えることが先にあり、その結果として妊娠が訪れる可能性があるということです。
感じ方は個人によって異なるかもしれませんが、そう考えることは重要だと思います。

――何から手を付けるべきかと聞かれたら、まずは、夫婦で子どもがほしいと考え始めたときに、夫婦それぞれ、自分の体が健康であるかどうかを確認することが重要になるイメージでしょうか?

 

濵脇

はい、そうですね。
本当に「知る」ということが大切です。
生活に少し支障があるけれども、生きる死ぬの問題ではないと思って、見送っていた部分が意外と影響がでていることもあるといいますか。
自分自身の体を見つめ直し、もう一度じっくりと考える必要があると感じますね。

 

――なるほど。確かに、ちょっと気になっていたけれど「まあいいか」と見過ごすことはあるような気もします。

 

濵脇

そうですね。
それと、もう一つ言えることとして、少し先の話かもしれませんが、育児は本当に体力が必要なんですよ。体力勝負になります。

 

――授乳、抱っこ、外遊び、いやいや期…確かに、子どもの成長段階それぞれで、いろいろな体力を使いますね。

 

濵脇

どうしても今の現代社会はデスクワークなどが多く、体を使うことが少ないかと思います。
たくさん運動をしないといけないという意味ではなく、体を動かす癖をつけるとか、筋肉をすこし鍛えておくなどは大切かなと思いますね。

 

――今後のことも考えてということですね。

 

濵脇

そうですね。
妊娠がゴールではないからですね。
妊活、妊娠、出産、そして子育てをするといった視点を持ち、体力を養っておくことが大切だと思います。

 

――ありがとうございます。夫婦で自分たちの体を知ることが大切、今後のことも考え、体力を養っておくことがとても重要になることがお話からうかがえました。

今回お話いただいた内容が、以前、濱脇先生にご監修いただいた記事に詳しく載っていますので、ぜひあわせて読んでみてください

 

 

今回の記事のまとめ

💡妊活において、体質改善は重要💡
多くの方がサプリの摂取や運動、食事の改善などを行っていますが、体質改善が妊娠のしやすさと直結しているのかは明確ではありませんが、自分の体に意識を向けることが重要であり、体を温めたり体力を養ったりすることはとても大切です。
妊娠をゴールにするのではなく、育児に備えた体力作りも視野に。

 

 

 

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《 監修 》

  • 濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師

    大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。
    助産師・保健師・看護師。
    産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。
    はぐふるアンバサダー。
     
    妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。
    また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。
     
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