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心身の健康を守る食事~腸を育む~

2020.08.03

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腸は第二の脳とも呼ばれる

腸は独自の神経伝達ができ、脳から指示がなくても活動することができるといわれています。その一方で、脳を通じて全身に指令を送る働きかけもできるため、「第二の脳」とも呼ばれており、心身の健康を守るうえで人の体に多くの影響を与えています。

腸と脳の関係性

ストレスが与えられると、おなかが痛くなってトイレに行きたくなるのは、脳から腸に対してストレスの刺激が送られるためです。それとは反対に、腸が病原菌に感染したり、善玉菌と悪玉菌の腸内バランスが崩れたりすると、脳内の不安感が増幅されるといわれています。
これは、腸の状態が脳の機能にも影響を及ぼすことを意味しています。このように腸と脳が互いに情報を伝え、影響し合う関係のことを、脳腸相関といいます。

 

食品に含まれる善玉菌

私たちの腸の中には、様々な細菌が生息していて、それらの数は約1000種類、100兆個以上ともいわれています。細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されており、これらの様々な細菌が互いにバランスを取りながら、腸内環境を良い状態にしています。

 

体に良い働きをする善玉菌は、悪玉菌の増殖を抑えたり、腸の働きを活発にしたり、ビタミンを合成したり、病原菌に負けない体づくりをサポートしたりと、おなかの調子を整える重要な役割を担っています。

一方の悪玉菌は、不規則な生活やストレス、過度な飲酒などが引き金となって増えてしまいます。おなかの調子を保つためには、日頃から意識して、悪玉菌を減らし善玉菌を増やす食生活を心がけることが大切です。

 

腸内の善玉菌を増やす方法は、大きく分けて二通りあります。まず一つめは、生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。食品ではヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。これらの発酵食品には、乳酸菌をはじめ、食べ物を腐敗させる物質の増加を抑える善玉菌が豊富に含まれています。善玉菌には、外から入ってくる病原体を防ぐ免疫細胞を活発にさせる働きもあるため、発酵食品を積極的に取ることで、腸内環境を整えながら免疫力を高めて病気を予防する効果が期待できます。食品に含まれている善玉菌は次のようなものがあります。

 

乳酸菌
便秘や肌荒れの原因となる悪玉菌の増殖を抑え、腸の免疫力アップにも効果があるといわれています。漬物、ヨーグルト、チーズなどの食品に含まれます。

 

麹菌
麹菌は、必須アミノ酸とビタミンB群を豊富に含み、血行促進や代謝アップが期待できます。

 

酢酸菌
酢酸菌を使った酢はクエン酸を豊富に含み、腸内のバランスを整え、便秘解消や食欲増進、血液をサラサラにするといわれています。食品では、ナタデココ、カスピ海ヨーグルトなどに含まれます。

 

ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間しか存在できません。そのため、日常的に毎摂取し、腸に補充することが必要です。なお、善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないといわれますが、死んでしまっても善玉菌の体を作る成分が人体に良い働きをするといわれています。

そこで注目されているのが、食物繊維の働きです。食物繊維は、善玉菌の増殖を助ける栄養源となり、消化・吸収されずに大腸まで届いて便の量を増やすことで、おなかの調子を整えています。

腸を意識した生活習慣

腸の活動を健やかにするためには質の良い睡眠や適度な運動も欠かせません。食事、睡眠、運動などすべてを適切に生活に取り入れることで腸は育まれます。難しく考えず、朝起きたらまず1杯の水を飲む、食物繊維を一日のどこかできちんと取り入れる、暴飲暴食をしてしまった翌日には腸を休めるなど、腸の健康を意識したちょっとした習慣を生活に無理のない範囲で取り入れ、それを継続していくことが大切なのです。

《 監修 》

  • 濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師

    県立長崎シーボルト大学大学院修了。国立保健医療科学院地域保健福祉分野修了。
    助産師(アドバンス)・保健師・看護師。
    株式会社マイユティックス
    総合病院・クリニック・助産院に勤務し、妊娠・出産・産後まで幅広くサポートを行う。
    また、大学・助産師学校にて専門職の教育にも従事。

    HP https://maieutics.co.jp/

     

     

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