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育む8つの視点食育

人に良いと書いて「食」 何をどのように食べるか

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今日何時に、何を食べましたか。朝起きて、最初に口にしたものは何でしょうか。

 

私たち人間は、様々な命を頂くことで自分たちの生命を維持しています。

 

私たちの身体と心は、日々食したものから作られています。

 

赤ちゃんは、母親が食べたものから栄養をもらって成長します。つまり、お腹の中にいる時から子育ては始まっています。

現在、様々な研究で、お腹の中にいる時の栄養状態が、その後の健康状態に多大な影響を及ぼすということが分かってきています。また、食べるということは、ただ栄養を取るということではありません。咀嚼(そしゃく)や消化が脳の発達に影響を及ぼし、身体と心を作り、言語の発達にも関係していきます。食べることは生きることです。その食を育むことは、未来への大きな宝物になります。

身体(歯)に学ぶ食摂取のバランス

私たちの身体は食べたものでできています。私たちは人である前に、ホモサピエンスという動物です。ですから、この動物に適した栄養を補給していかなければなりません。動物としての基本である身体がしっかり育つことにより、その後の知育や人間としての力が身につくのです。

何をどのように食べるかは、身体(歯)を見ると一目瞭然です。乳歯は生後4~6カ月ごろに下の前歯から生え始め、3歳ごろには全て生えそろって全部で20本になりますが、大人の歯(永久歯)は親知らずを含めて全部で32本あります。したがって、大人と子どもでは食物摂取のバランスが違ってきます。

永久歯の割合を見ると、植物性の食品を食いちぎるための歯(切歯)は8本、動物性の食品を食いちぎるための犬歯が4本、穀物類をすりつぶすための臼歯は小臼歯が8本、大臼歯が12本あります。

人は進化の過程で、このような割合で食物を摂取してきました。ですから、身体を基本に食物のバランスを考えるなら、同じような割合で摂取すればよいでしょう。しかし、幼児期の乳歯の段階では大臼歯がありませんから、動物性の食品を少し多めに、特に魚介類を中心に取るべきと考えればよいでしょう。

 

しっかり噛んで食べる

噛むことで、食べものの味や食感など様々な感覚情報が脳に伝えられ、脳が活性化します。さらによく噛むことで、脳の思考や学習などをつかさどる部位も活性化し、高齢者の記憶力や認知機能が維持・向上するという研究結果もあります。

また、食べものを噛むことによって神経系ホルモンが働き、ホルモンが脳の視床下部にある満腹中枢に信号となって届くと、満腹感が得られます。よく噛むと、より少ない量で満腹感を得られることが分かっており、食べすぎによる肥満予防、ひいては生活習慣病の予防にもつながります。1口30回を目安に、しっかり噛んで食べましょう。

 

身土不二(しんどふじ)

命を育む食の基本は、「身土不二」といわれています。これは「人と土(環境)は一体で、人の命と健康は食べもので支えられ、食べものは土(環境)が育てている」という考え方です。

たとえば、暑い国では水分を補給してくれる南国特有の果物や野菜が育ちます。そこで暮らす人々にとっては、暑さをしのぎ、体調を整えるための必需品ですが、寒い地方や冬の日本で同じものを食べると身体が冷えてしまうこともあります。慣れ親しんだ環境と、その土地で採れた食べものを頂くことが、命と健康を育むと考えられています。

できるだけ自分が住んでいる土地の近くで採れたものや、国産のものを食べることをお勧めします。地元で採れたものは新鮮で、値段も安く、おいしく感じられるでしょう。輸送の時間がかからないため化学薬品も不要で、ガソリンなどのエネルギー資源を最小限に抑えられます。そういう意味では、身土不二は環境にも優しい食べ方だといえます。

監修者:株式会社マイユティックス 代表取締役 濵脇文子