はぐふる

育む8つの視点親育

親になること 親であるということ

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今、世間では親子を取り巻く問題が日々取り上げられています。親子の関係は、家庭という閉鎖された空間だからこそ深刻になりがちで、周りからは見えないこともたくさんあるでしょう。その関係性が時に痛ましい事件を引き起こしたり、後々の人生にまで影響を及ぼしたりすることも、少なくありません。

 

あなたの両親は、どのような人でしたか。優しい、厳しい、朗らか、厳格、放任主義、過干渉、もちろん、ひと言で言い表すのは難しく、年月とともに親に対する認識も変わっていきます。では、自分はどのような親になりたいですか。また現在、親としてどのように子どもに接していますか。

「親になる」ということ

親という字は、「立っていく木を見る」と書きます。親になるとは、自分とは違う命を、まっすぐに見つめること。新しい命を迎え入れ、育むということでしょうか。

一人の人間を育んでいくという責任。生まれたての危うい命を守る心労。寄り添い、励まし、時にはぶつかり、自分の未熟さを思い知らされる。そこには、大きな責任と覚悟が必要です。しかし、それをもってしても、余りある喜びがあると思います。

 

現在、家族の形は多種多様で、親としての役割や正しい育て方は、一つだけではありません。子どもは、母親の胎内を通ってやってくるかもしれないし、ご縁があって特別養子縁組(養子ではなく、0歳児の赤ちゃん~6歳未満の子どもを実子として迎える)という方法もあります。また、里親制度もあります。

日本でも、昔から子どもがいない家庭に養子を迎え入れたり、実子がいても養子をもらったりして、子どもの養育を行ってきました。どんなに医学が進んでも、どうしても子どもができない人もいます。血のつながりがあってもなくても、子どもは縁があってやってくるものではないでしょうか。

 

「親である」ということ

カリール・ジブランが著した『預言者』の中で、「こどもについて」という一節があります。ある夫婦が預言者に「子ども」の存在について問い、それに対して預言者が答えています。この話の中には、親子関係の本質が述べられています。

 

その話は、次のように始まります。

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あなたのこどもは、あなたの子ではありません

絶えることなく続こうとする生命、それが息子や娘になったのです

 

こどもはあなたを通過する存在であり、あなたから生じた存在ではありません

こどもはあなたと共にいますが、あなたに属しているわけではありません

 

こどもに愛を与えることはあっても、あなたの考えをおしつけてはなりません

こどもにはこどもの考えがあるからです

 

こどもの体を家に住まわせることはあっても、こどもの魂までをそうしてはなりません

こどもの魂は未来という家に住むからです

その家をあなたは訪れることはできません。たとえ夢の中であっても

 

あなたがこどものようになろうとすることはあっても、こどもをあなたのようになるよう強いてはなりません

命は過去にさかのぼることも、留まることもできないからです

 

以下、省略

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私たちは、往々にして「子ども」という別の人格を、自分たちの所有物のように考え、扱っていることはないでしょうか。もちろん、保護者として養育することは大切です。しかし、一人の人間として子どもと接する。子どもの命がまっすぐに、すくすくと育む環境を作り、お互いの命を認め合って尊重し合う。そのような営みができているでしょうか。

 

ヒトは人の中で人間になります。人が育つためには、たくさんの価値観やパーソナリティーを知ることが必要です。しかし、子どもは生まれ出る時から、一人の人間として尊厳を持って生まれてきます。そのことを、いつも忘れずにいる。それが、親であるということではないでしょうか。

 

監修者:株式会社マイユティックス 代表取締役 濵脇文子