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育む8つの視点脳育

赤ちゃんの脳を育むために 妊娠中からできること

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頭の良い子に育てたいですか。では、頭が良いとは、具体的にどのようなことでしょうか。

 

赤ちゃんの身体と心。その成長は、一つの器官と深く結びついています。それは「脳」です。

 

人間は、脳を発達させることで、生物として進化してきました。脳が発達することで、知能や感情が芽生え、人間らしさを育んできました。しかし、その代償として、人間は、生理的に早産で 生まれてきます。ヒトが人間として成熟するためには、膨大な時間と、たくさんの養育が必要です。その時間と、関わりを経て、ヒトは人間へと成長します。

 

ヒトを人間にする脳。脳を育み、活性化させ、その能力を引き出すために私たちにできるのは、どのようなことでしょうか。

脳はどのように形成されていくのか

脳について知るためには、構造的な発達と機能的な発達の二つの側面から見ていくことが大切です。

まず構造的には、次のように発達していきます。

・受精から6カ月以内に、一生分の脳細胞ができるといわれています。
・妊娠3週目には、神経管と呼ばれるストロー状のものができます。
・翌月には神経管の前方が膨らみ、前脳胞・中脳胞・後脳胞の3つの脳胞を形成します。
・妊娠7週目には、ニューロンの分化が始まり、他のニューロンネットワークが形成され始めます。
・妊娠8週目に入り、心音が確認できる胎児期の始まりになると、脳の基礎的な構造がほぼできあがります。
・受精後20週ごろになると、しわが入ってきます。

その後、どんどん大きくなりながらしわができ、赤ちゃんが生まれるころには、大きさはともかく、ほとんど大人の脳と同じようです。「勉強するとしわが増える」などといわれますが、そのようなことはありません。

さらに、でき上がっているのは「しわ」だけではありません。内部のネットワークも、成人に近くほぼ完成しています。体を動かすための大脳の神経線維や、左右の脳をつなぐ脳梁の配置などが、ほとんど終わっています。

このころになると、多くのしわを持った形状や内部のネットワークは、構造的には大人の脳と変わりない域に完成していますが、機能的な側面から見ると、まだまだ未完成です。脳は、シナプスの形成によって機能します。シナプスとは、脳の神経細胞と神経細胞とを結びつける接続部位のことで、生後、これが急激に増えていくにつれて、接続される部分も増えていきます。

シナプスの数は新生児の時期から生後6カ月~12カ月にかけて急激に増えた後、また減っていくことが分かっています。シナプスの形成は、この時期に非常にさかんになり、視覚野だけでも1秒間に10万個のニューロンが作られているそうです。しかし、それがすぐにピークに達して、そこから先は減る一方といわれます。もちろん、大人になってもシナプスの形成は行われますが、それに対してシナプスが刈り込まれるので、増減のバランスで、減っていくことになるわけです。この爆発的にシナプスが増える時期、赤ちゃんへの様々な刺激はとても大切です。

 

赤ちゃんの脳を守るために

お腹に命を宿してから、出産に向けて妊娠中には日常生活で、食べたいものや、やりたいことを我慢したり、不快な症状が出たりすることが多くなります。個人差はあるものの、ほとんどの妊婦が多少なりともストレスを抱えます。母親が感じるストレスのレベルが高くなると、子宮に届く酸素の量も減ってしまい、その状態が長く続くと早産や低出生体重につながる可能性もあります。また、脳内の扁桃体(恐怖や嫌悪の感情に関係する部位)が標準のサイズよりも大きくなるとの報告もあります。

 

妊娠中には、多くの人が、栄養面などに対して十分に注意を払いますが、心の健康は後回しにされることが多いようです。自分をいたわること、普段楽しんでいる活動を続けること。自身の心の健康を大切にすることが、将来的には赤ちゃんの脳を守ることになります。

 

監修者:株式会社マイユティックス 代表取締役 濵脇文子