はぐふる

育む8つの視点肌育

「肌育」とはどんなこと?

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「肌」と聞いて、五感の中の「触覚」を思い浮かべる人は多いでしょう。五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚を指し、人間はこれらの感覚を駆使して生きています。どの感覚も等しく重要であり、一つが欠けても大変なことです。しかし、あえて失って最もつらいものは何だろうと考えてみると、「触覚かもしれない」と思うことがあります。

 

ここで触覚、つまり、皮膚(肌)で捉える感覚について考えてみることにしましょう。人間の触覚は、皮膚が「硬い・柔らかい、ツルツル・デコボコ、熱い・冷たい」などといった、ものの状態を感受します。また、「暑い・寒い、痛い、痒い」などの感覚も感じ取ります。しかし最近の研究によると、それだけではない皮膚の驚くべき機能が明らかになってきています。

 

皮膚は音の振動(音波)を圧力として捉えているといわれています。たとえば、太鼓のダイナミックな演奏を聴いたときは、太鼓の皮から伝わる振動を捉えて、体全体が興奮します。さらに、聴覚では聴き取れない超音波も感受しているらしく、皮膚は耳のような役割もあるかもしれません。

 

また、皮膚は光も感じています。皮膚が紫外線を浴びると日焼けを起こす理由は、赤・青・緑の三原色にも反応していることが原因だという報告があります。つまり、皮膚には視覚のような機能もあるわけです。さらに皮膚は、外界から体を守る防波堤としての働きも果たしています。現代は情報機器に依存した生活のため、視覚と聴覚が偏重されていますが、皮膚の働きは想像以上に大きいようです。

皮膚(肌)は、一番古い感覚

なぜ皮膚がこのような幅広い働きをするのかと不思議に思うかもしれませんが、生物の進化を考えてみるとよくわかります。脳も視覚も聴覚も持たない原始的な生物は、触覚を頼りに生きていると考えられています。つまり、触覚は五感の中で一番古い感覚で、生きることの基盤にあるものなのです。触覚の機能が進化の過程で、神経系を作り、感覚器を生み、さらに進化を続けて脳を形成したわけです。人間は食物連鎖の頂点にありますが、その皮膚には、太古からの歴史を持つ大切な機能がいまだに潜んでいるわけです。赤ちゃんが何でもまず、手に取り、口に入れてなめることで物を確認することが、それをよく表しています。

そんな触覚がなくなったら、動物としての根っこのようなものを失ってしまったと感じるのではないでしょうか。

これほどの肌の働きの重要性を知れば、肌について知っておくことが必要だと思えるのではないでしょうか。内臓や骨や筋肉を包んでいるだけではない「肌」について、少しでも興味を持ってみるのもいいかもしれません。

監修者: 一般社団法人 日本眠育普及協会 代表 橋爪あき